高層マンションに住んでいるなら災害用備蓄は「できるだけ」が正解

2011年3月、未曾有の被害を出した東日本大震災。
この災害は高層マンションの弱点を現実のものとしてさらけ出しました。
首都圏のほぼ全てのエレベーターが停止し、地上階と自宅との間に「高さ」という大きな障害ができる「都市型孤立地」というべき新しいタイプの被災が多発したのです。

高層マンションは災害を受けると
エレベーターと水道ポンプが止まる。
特に水の備蓄は十二分に。

エレベーターは一度停止してしまうと技術者が直接復旧させなくてはいけません。つまり、都市の高層ビルのエレベーターが一斉に停止する大地震が発生すると、エレベーターの管理会社は完全にマヒ状態に陥ります。そして忘れがちなのが技術者も被災をしているのです。管理会社は確保できた限られた労力で数万台というエレベーターを一つ一つ復旧させるのです。たとえエレベーターがダメージを受けていなくとも、数日から1週間という長い時間復旧しない可能性があるということです。

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また災害支援活動が始まっても地上階と高層階には高さという大きな障害があります。唯一の交通機関であるエレベーターが動かなければ街が復旧しても高層階には救援物資は届きません。そして建物の問題ではなく、地上の電線や水道パイプなどのライフラインが被害を受けている場合も同様で、地上に降りて支援物資を確保し、数十階という階段を上がり部屋に持ち帰らないといけないのです。

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生きていくために最も不可欠なものが「水」です。料理を含めて摂取に必要な水は1日で1人3リットルですので、4人家族の場合は12リットル程度は必要になるでしょう。
最低限衛生的な生活をしたい場合はどうなるでしょうか? 濡れタオルで体を拭き、トイレの水を限界まで減らすなどして我慢したとしても、4人で1日20リットル程度は必要になります。

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普通の生活で使用する水は1日810リットルです。それを20リットルだけでしのごうとしているのですから非常に苦しい生活となるでしょう。20リットル(20kg)のポリタンクを背負いながら、40階であれば1000段もの階段を20~30分かけて上る。それは普段運動をしていない人には相当に厳しく、高齢の方であれば不可能な話でしょう。

そして備蓄する水は最低でも1週間分は用意しておきたいものです。20リットル×7日=140リットル、これが備蓄しておきたい水の目安です。大変な量になりましたが、これでようやく最低限の生活ができるのです。

そんな状況のため、備蓄できるスペースに余裕があるのであれば1日20リットルとは言わず。出来るだけ確保しておきましょう。その水はいざというときに必ず役に立ちます。

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水だけを考えてもこれだけの備蓄が必要です。加えて食料や、冬場の被災のために暖をとる方法も確保しておかないといけません。高層マンションを選ぶときは耐震構造だけにこだわりがちですが、どれだけ災害用備蓄が出来る部屋なのかという観点でのチェックが大切です。

高層階に住むのであれば「高層階が孤立する」という都市型被災地になりうることを常に意識しておかないといけません。それが「高層マンションに住む」ということなのです。

地震が起きてからでは手遅れです。

高層マンションは災害を受けると
エレベーターと水道ポンプが止まる。
特に水の備蓄は十二分に。

しっかり準備をしておきましょう。

東日本大震災後、街の機能が復旧し始めた頃に、水など重いものを宅配便で高層階の部屋まで無理やり届けさせるという裏ワザが存在していたようです。高齢者であればやむを得ないとは思いますが、宅配業者も同じ被災者です。自分の生活を二の次にし、混乱の中で必死に頑張って仕事をしているわけですから、あまり乱発させてほしくない方法ではあります。

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